コーダを育てる聞こえないママの奮闘記

コーダ(聞こえない親を持つ、聞こえる子ども)の男の子と女の子を育てる聞こえないママの日記です。

我が家のコミュニケーション事情

コーダを育てる親に多い悩み、子どもとのコミュニケーション。

実際、先輩方に話を聞くとやはりこの話題がよく上がる。

「小さいころから手話で話しかけるべき?」

「うちの子が何を言ってるかわからない!」

「手話を使ってくれない…」

と、家庭によって悩みはさまざまだけど、

根本的には「子どもとちゃんとコミュニケーションをとりたい」っていうところからきてる悩みが多い印象。

我が家も試行錯誤でやってみているところだし、

この先どうなるかわからない。

 

今回は、我が家のコミュニケーション事情について書こうと思う。 

 

*****

 

 私は手話口話がメイン。

ただし、聞こえる人に対しては口話が通じない(発音が壊滅的w)ので、

聞こえる人に対しては筆談がメイン。

 

旦那の場合は口話がメイン。発音は上手。

手話は大学に入ってから覚えたから、そこまで上手ではないと本人は言っていた。

(私は十分使えていると思ってる)

 

旦那も私も、子どもに対しては手話・口話を交えて話している。

 

子どもに手話を覚えさせるためには

手話だけにしぼって話しかけるのが良いと聞いたけど、

子どもには親の声を覚えさせることも必要だと思ったし

自分も小さいころから手話+口話で話すことが当たり前だったので

自分のスタイルに合わせてやってみているところ。

 

実際、自分の発音は壊滅的だけど、

実家では慣れもあって口話だけで通じることもあるしね。

(家族で私以外は健聴)


息子も娘も、幸い今のところ私の話していることは通じているようで、

生活上不便を感じたことはない。

「何食べる?」「パン!」っていうやりとりもできている。

今はどちらかというと子ども側から親へ発言するとき、

親がそれを理解できなくて子どもがムキー!って怒ることのほうが多いかな…(泣)

 

*****

 

私は人とやり取りするとき、基本的に相手の顔を見るようにしている

 

これは自分が聾学校に通っていたころに

先生から「人の話を聞くときは、相手の顔をちゃんと見るように!」

と口酸っぱく言われ続けていて、それが身についてるんだよね。

 

聞こえない人は口の形や手話を「見て」会話するので、

「相手を見ていないということは話を聞いていないということ」に当たり

失礼なことだと教えられていたんだけど、

 

聞こえる人の間では「相手の顔をじっくり見るのはかえって失礼」なんですよね。

社会に出て初めて知り、ほんとにびっくりした。

 

聞こえる人と聞こえない人の常識にズレがあるのは感じていたけど、
まさかここまで違うとは。

 

それはさておき、

自分の子どもをやり取りするときも基本的に顔を見ながらやっている。

子どもが何を言っているのかわからないってことはちょくちょくあるし、

ジェスチャーや口の動きを頑張って読み取って、それで返事するという感じ。

 

自分の子だからなんとかわかるでしょ、っていうことは全くなかったですw

 

でも子どもも子どもなりに

「ママはこうしないと伝わらない」ということがわかっているようで

頑張って口の形を大きくして、

知っている手話をフル活用して伝えようとしてくれているので、

なおさら子どもの顔はしっかり見ないと、と意識して見てるんですよね。

 

ある時義実家のほうに遊びに行った際、義姉に

「子どもとのやり取りは聞こえる人以上に大変だと思う。頑張ってるね」

と言われてハッとした。

実際、子どもの話の大半は結構どうでも良いことばかりなんですよねw

「あれ見てー!」だの、「〇〇だ-!」だの、見たものをそのまま報告するとかね。

 

聞こえる人はそれを耳で聞いて「そうだねー」なんて適当に返事して

自分の作業を止めずに聞き流すことができるけど、

 

聞こえない人はそれができない。

いったん作業を止めて、子どもの顔を見て「どうしたの」って聞いて。

子どもとの話が終わったら作業に戻って…の繰り返し。

 

ごはんを作ってるときにこれをやられると、時間が削られるしメンタルも削られるw

でも無視できないっていうジレンマ。

そうかー、そりゃ大変だわー。

大変だって思ってもよかったんだー。と肩から荷が下りた感じでした。

 

聞こえない親は割とここで苦労するんじゃないかしら…。

 

でも顔を合わせて会話するのは悪いことばかりじゃないと思うよ。

親バカ入ってるかもしれないけど、

うちの子、表情豊かだなって思うときあるもの。

 

聞こえない人は表情の動きや表現が豊かだと言われるし、

自分の子もそれを見て育っている分、しっかり継がれているなあって思うよ。

 

息子が3歳になってようやく会話のキャッチボールができるようになって

会話が楽しいと思えるようになってきた。

息子は言葉がちょっと遅めだった分、その喜びもひとしお。

 

*****

 

それまでの道のりは本当に長くてしんどかったし、

これからも言葉の壁はまだまだあるんだろうな。

「聞こえない親でも、子どもとしっかりお話ししたい!」を原動力に、

これからも頑張っていくつもり!

 

この話はここでいったんおしまいにする!