コーダを育てる聞こえないママの奮闘記

コーダ(聞こえない親を持つ、聞こえる子ども)の男の子と女の子を育てる聞こえないママの日記です。

テレビの音量問題。

これを書いている時点で息子は3歳半、娘は1歳半ほどなのだが

生まれつき聞こえない身としては、この年齢でも音をしっかり認識していることに驚かされる。

 

息子が生まれたてほやほやの時の話なんだけど、

すやすや寝てるそばでカーテンをひいたとき『ビクッ!!』と息子の体が反応して

「うっそーーーー!?これもわかるん!?!?」ってめちゃくちゃびっくりしたんだよね。

 

カーテンレールの音なんて意識したことないもん。

漫画とかでは「シャーッ」っていう音で表現されることもあるけどさ、

寝ててもわかるの!?って、ほんとにびっくりした。

「うっわ…生きづらいな…」なんて思っちゃったりした。いやマジで。

 

なんでも聞こえるのはうらやましいけど、

こういう些細な音も日常的に聞かなきゃいけないの、しんどそう。

…なんて、聞こえない人がマウントとってもしょうがないんですがw

 

そうそう、育児に関して、音にまつわることでめちゃくちゃ失敗したな…って思ったことがあって。

それがテレビの音量

 

耳が聞こえない人は、テレビの音量は

  • 完全に消音にする
  • 大きくする

…のどちらかだと思うんだよね。

私は前者で、(補聴器しててもあんまりわかんない)

旦那は場合によりけり。(補聴器をすれば音楽は聴けるけど、テレビは音がなくても気にしないことのほうが多い)

 

なのでうちのテレビの音量は、

子どもが生まれる前は基本的に「消音=0」が多かったかも。

 

でも、子どもが生まれて、その子どもが聞こえるとなると

さすがにこのままじゃまずいでしょ!と思って

そういえば私の実家ではいつも「13」ぐらいだったよな~…

そんなアバウトな感じで我が家のテレビの音量も「13」ぐらいにしたんだよね。

それでEテレを流してみたりした。

けど反応はいまいちで、でもそのときはまだ生まれて5か月ぐらいだったから

まあこんなもんだよな~って思ってたの。

 

そんなころに、前に勤めていた会社の先輩が遊びに来てくださって。

その先輩は健聴の方なのですが手話ができ、在籍中はとてもお世話になっていた方でした。

 

で、時間も夕方に差し掛かっていたころだったので、

いつものようにEテレで子ども番組を流していたんだけど

その時にその先輩が戸惑った感じで

「あの…テレビの音、ちょっと小さいと思う。」

「20ぐらいでもいいと思う」

って、教えてくれたんです。

 

「実家では13がデフォ」だった自分にとっては

「エッ!?でっっっか!!!いいの!?うるさくない!?」

っていうのが正直なところでした。

 

でも健聴の方がそう言っているんだし、まちがいない…

旦那も「これかなり音出てない!?大丈夫かな…近所迷惑にならんかな」って心配してたけど

確かにちょっと反応よくなったかも?? と思えたので、

そのころからテレビの音量は「20」に設定するようになりました。

 

…ところが、

この1年半後ぐらいにさらなるショックを受ける出来事が起こります。

 

息子が2歳になったころに娘が生まれ、

私の実家のほうから母が泊りがけで手伝いに来てくれたんですよ。

それも1か月半ほど!ほんとにありがたかったです。

※私の実家も旦那の実家も飛行機の距離なので、めったにうちに来ることがないんです

 

母が来て1か月ほどたったころに、私の姉が甥っ子を連れて遊びに来てくれたんです。

そこで、例のごとくEテレタイム。

テレビの音量は「20」にしていました。

 

すると、姉が一言「えっ!?これ小さくない!?」

 

え。

 

え!?これでも小さいの!?

 

いや、でもだって実家ではテレビの音量、いつも13ぐらいだったよね。

これ大きいほうじゃないの!?

 

と、母に聞いたら

 

「確かに子ども番組でこの音量は小さいと思った」

 

ズコーーーー。

いや母、1か月ぐらいいたのに…なんで言ってくれなかったんや…

 

いや、わかるんですよ、多分うちのルールではこうだから言わんとこって思ってたのかもしれない。

 

母に詳しく話を聞いたら、

「お父さん、めっちゃ神経質でテレビの音大きくすると怒られるのよね。

 だから夜は基本13ぐらいにして、テレビに近づいて耳を澄ませて見てたのよね」

 

お母さん!!!!!

そんな切ない理由があったなんて…!!

そうなると怒りの矛先が父に向く。

 

お父さん!!

その悪しき習慣のせいで!!

私はテレビの音量の基準を知らないばかりに!!

息子にとっては静かすぎる環境を作ってしまった!!!!

 

…そういうわけで、姉に改めてちょうどよい音量を教えてもらい、

以降うちのテレビの音量は「23」になりました。

 

違いは目に見えてわかるもので、

それまではあまり反応を示さなかった息子と娘、

「23」になったとたん2人してノリノリ。

 

え~~~~~!!これまでの時間なんだったんだ~~~~~!!

(たぶんそのセリフを一番言いたいのは息子!!!!ごめんね!!!!)

 

あ、これはEテレの子ども番組のときだけで、

番組によっては「23」のままだとうるさいそうなので

バラエティ番組やニュースを見るときなどは「16~20」ぐらいに抑えています。

 

※テレビの機種にもよるかもなので、

 同じことで悩んでいる聞こえない人は、できたら近くの聞こえる人に聞いてみてくださいね。

 

今思うと、

上に書いた元職場の先輩もほんとはもっと上げたほうがいいかも…と思いつつ

 かなーーーり気を遣って

「20ぐらいがいいと思う」と教えてくれたんだと思います。

 

結果的に良かったので、(元が小さすぎただけに!!!)

その先輩には感謝してもしきれません。

我が家のテレビの音量の基準がちょっとオカシイということがわかりましたw

 

こうして、テレビの音量問題は無事解決しました。

やっぱり、聞こえる人に聞くのがいちばん。

 

テレビの音量の基準は、家庭の環境にもよるかもしれないけれど

聞こえない人にとっては未知の世界なので

「あれ?お子さんに聞かせるとしてもこれは小さすぎるかも。」

とか、

「ちょっとうるさい!近所迷惑だからちょっと抑えたほうがいい!」

とか、思うことがあればそっと教えてほしいです。

 

余談ですが、自分が寮生活をしていた時

ある人が大音量でTVを見ていて、

その様子を見ていた他の人は「ちょっと大きい…」と嫌がっていたことがありました。

この話に出てくる人はみんな補聴器ユーザー。

補聴器ユーザー同士でもかなり意見が分かれるところなのでテレビの音量問題は難しいんですよね。

とりあえず近所迷惑になるレベルなら注意したほうがいいです…

そういう人はガチで気づいてないパターンが多いので。

 

コーダを育てるとなると、身の回りの音を気にするようになると思うので

この話がすこしでも参考になれば幸いです。

 

 

そんなお話でした。

おしまい!